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NEWSメール 「アクロスゲート瓦版」

2010年12月01日

第4号

「漂流する金融経済の行く末」

アクロスゲートグローバルソフトウェア
代表取締役社長    三好  和明
2010年、世界経済は段々と混迷の色を増し、行き詰りつつあります。 戦後、世界のリーダとして経済を引っ張ってきたアメリカと日本の影が 薄れていく中で、金融経済はどうなって行くのでしょうか。
今回は金融経済の行く末を考えてみたいと思っています。

世界の根幹を成す、現代の金融システムの発達は、資本主義の成果とも 言えますが、副作用も強く、どこかの国がくしゃみをすれば、どこかの 国が風邪を引くような強い繋がりを持っています。
これは非常に危険な事で、世界が安定的であればいいのですが、不安定 であればあるほど、世界中が影響を被ります。

いわば、金融経済という降りる事の許されない列車に乗ってしまった様 なもので、苦楽を共にする経済同盟国となってしまっています。
もはや自国の論理は通用せず、世界の潮流には逆らえない状況となって います。日本も自由貿易を加速し、国際競争に打ち勝たなければなりま せん。

金融が不安定な状況を作り出している原因は、資源枯渇や環境破壊、経 済や軍事的不安要素が、未来への信用不安を引き起こしている事が挙げ られます。また、投機筋のマネーゲームや、所得再分配などの制度も不 安定要因として考えられます。
中国など新興国の台頭も、発展の課程でバブル化する傾向にありますか ら、金融経済に及ぼす影響が大きいのではと懸念されています。
最近またアイルランド財政問題が浮上していますし、ソブリンリスクを 未然に防ぐ必要もあります。

現在の金融システムは危うさの上に成り立っている事は事実で、金融派 生商品などの錬金術に頼った経済システムからの脱却が必要なのかも知 れません。
リーマンショック以降、金融経済に染まっていたアメリカでさえ、生産 活動による物ベースの実体経済に回帰しようという動きが高まっていま す。

様々なリスクヘッジを行いながら、金融ルールを厳格化し、行きすぎた 金融商品を規制するなど、多くの事を行わなければ、金融経済という重 症患者は救えないのかも知れません。
あるいは金融経済(資本主義)そのものを否定するという手も・・
その答えは、そう遠くない未来に出されると思います。
「漂流する金融経済の行く末」 完